Connect with・・・~イシュタルからのお手紙~バラの香りの伝道師とは
ローズ・フレグランス・コンシェルジュ。蓬田バラの香り研究所として、これからこのコンシェルジュさんたちを育てるということに力を入れていきたいと思っています。
何をする人たちなのか・・・
ずばり「バラの香りの伝道者」とでも言いましょうか。私たちの大事な活動の一つ。フレグランスワークショップの講師になってもらい、バラの香りの楽しさや奥深さを広めていただきたい。バラの香りは何かの気づきを促す媒体に過ぎないと考えるならば、その気づきや覚醒、自分を幸せにする何かに繋げやすくして差し上げるお役目。というイメージです。ワークショップは香りを楽しみながら学べます。学ぶというと何か難しい学問的なことのようですが、そうではありません。香り。バラの香りとは嗅ぐというよりは感じとるものだと思います。そこで、カチッと何かに繋がった時、人は「あ~気持ち良いな」とか「よし!頑張れる!」といった「気」を変えることができるのだと思います。自分だけのバラの香りを調香し、心地よい香りを作りましょう。というワークショップを私たちと共に活動していただけるお仲間を増やしたいと思っています。その過程でバラの香りの種類や品種なども自然と触れることになります。ある方は、そこから生花を育てるほうに興味を持たれるかもしれません。
また、実際に香りを嗅ぐという行為を繰り返すことによって、海馬を刺激し嗅覚を鍛える訓練にもなる。人間の衰えは嗅覚からともいわれます。そこから介護などに役立てる方も出てくるかもしれない。
この学びは大事な誰かに役立てることができる。私はそう考えます。
先にも述べたように、この活動はバラ好きの方限定で考えるのではなく、子供たちや高齢者の方々にもぜひ体験していただきたい。未来を創る子供たちにとっては感性を育てるためのアートとして。そしてこれから向き合うことになる超高齢化社会の中では、元気で明るく人生を送るための一つのツールとして提案できるのではないか。認知症の始まりは匂いの区別がつかなくなるところから始まるのだそうです。嗅覚の衰えこそ、さまざまな症状を引き起こすもとになっているのかもしれません。
コンシェルジュさんが増えるということは、バラの香りの世界が様々な場所で、彼らの持つ世界を通して花開くということです。
ある人はフラワーアレンジメントの世界をベースに。ある人はワインの世界をベースに。またある人はアパレルの世界、ジュエリーの世界などなど。どこをベースにするかで、バラの香りの世界の伝わり方も様々ではないかと思います。どんな世界観が生まれるのでしょう。とても楽しみです。
先ごろ、コンシェルジュさんとなっていただいたSさんは、ソムリエの資格を持っていらっしゃいます。バラの香りとワインの世界観はとてもマッチすると感じます。
香りの表現方法は特に参考になる点があります。お話をしながら、私も学ばせて頂いています。「ワインは芸術」なんて言われますね。どんな世界も極めると美しいという領域に入るのだと思います。そしてバラの香りだけでは表現できなかった、もっと深い世界が広がる。そう思います。
同時に、私にとってバラの香りの世界を広めるということは、人に教えるとか啓蒙するという感覚とは違います。ただの橋渡しの役割。香りは独り歩きするのです。きっかけをお渡しさせてもらっている。というイメージかな。先にご紹介したSさんにそのことを伝えたときにおっしゃった言葉が素敵でした。
「与える・教えるということよりも、誰かの幸せの呼び水のような存在になりたいと思います。」
まさにその通りだとおもいました。また一つ美しい表現をいただいた気がしました。